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「神社とお盆」のお話

Vol. 116:2014.08.14(木)

<神社とお盆>


立秋を過ぎましたが、まだまだ秋の気配は訪れません。

先日は中国・四国・九州地方では記録的な豪雨による被害が発生しました。

被害に見舞われたすべての皆様にお見舞い申し上げますとともに

一日も早い復旧を願っております。

さて、世間ではお盆休みの期間になりました。

今年は13日に出国・帰省ラッシュがピークを迎えたようです。

テレビ報道でも、この民族大移動の様子が頻繁に映されます。

皆様はお盆休みをいかがお過ごしでしょうか?

お盆の時期が近づくと「神社とお盆は関係あるのか?」と聞かれます。

「お盆 = お墓参り = お寺 」という考え方が広く浸透していますが

実は「お盆」とは元々は神道の考え方が根底にあります。


そこで、今回は神道の考え方から「お盆」について考えたいと思います。


<お墓参り>


お盆とはどんな行事でしょうか?

そもそも「お盆」とはどんな行事で、何をする日なのでしょうか?

一般的に「お盆」とは仏教行事である「盂蘭盆会」(うらぼんえ)を指します。

盂蘭盆会とは「餓鬼道に堕ちて地獄の苦しみをうけている人々を

現世から供養することの功徳によって、その苦しみを救いう行事」

とされています。

しかしながら、「ご先祖さまの苦しみを救いたい」との思いで

お墓や仏壇の前でお祈りをする人は少ないと思います。

では、皆さんがお墓の前で手を合わせるとき、何を考え、お祈りをしますか?

きっとこの様なことを思っているのではないでしょうか?

『いつも見守ってくれてありがとうございます。』

『元気に過ごせています。ありがとうございます。』

など、「感謝の気持ち」を伝えることはありませんでしょうか?

この「感謝の気持ち」でお参りすることこそ、日本古来の考え方

つまり神道的な考えなのです。

神社では先祖を敬い感謝することを「祖先崇拝」と呼びます。

実は日本の「お盆」とは

仏教の「先祖供養」と神道の「祖先崇拝」が混ざり合った行事なのです。



<日本独自の考え方>


神社新報社が発行している「神道いろは」では

「お盆」について次のように紹介しています。

「お盆」については、多くの方が仏教の行事と考えているようですが

元来は日本固有の先祖祀りがもとになっています。

ところが、江戸時代に入り、幕府が檀家制度により

庶民の祖先供養まで仏式でおこなうよう強制したため、

お盆も仏教の行事と誤解され、現在に至っているのです。

神道の家庭でも、お盆の期間中は、自宅の祖霊舎を清めて

季節の物などをお供えし、家族揃ってご先祖様をお祀りします。

我が国では、古くから神祀りとともに、ご先祖様の御霊をお祀りする

祖霊祭祀がおこなわれ、神と祖霊の加護により

平安な生活を過ごしてきました。

この神とは、自らと繋がりのあるご先祖様が

徐々に昇華して神となったご存在なのです。

(中略)

仏教が伝来すると、盂蘭盆会の行事が諸寺院でおこなわれるようになり

当初は僧侶の供養が中心でしたが

その後、我が国の祖霊祭祀と結びついてご先祖様を祀る

「お盆」となりました。


<祖先崇拝>


「草場の陰から見守る」という言葉がありますがご先祖さまの御霊は

常に私たちの身近にいらっしゃって、私たちを見守っています。

今の世に我々が生をもって活動できるのは、自分達を産んでくれた

両親がいたからです。

そしてその両親を産んでくれた祖父母、さらにはその両親・・・。

まさに、永遠に近い長さで繋がってきた「命のリレー」があります。

昔から日本人はこの事実を強く認識し、畏敬の念を感じていました。

古くは「古事記・日本書紀」にも皇祖の御霊を祀った例が見られます。

現在でも宮中では、歴代天皇の御霊を祀る行事

春季皇霊祭・秋季皇霊祭が厳粛に執り行われています。


<あなたのご先祖様は何人?>


皆さんには何人のご先祖がいらっしゃるか計算したことがありますか?

そこでご両親を1世代前と考えて計算してみました。

1世代前 2人 両親
2世代前 4人 祖父母
3世代前 8人 曽祖父母
4世代前 16人
5世代前 32人
10世代前 1,024人
20世代前 1,048,576人
30世代前 1,073,741,824人

改めて考えると気の遠くなるような数字になりますね。

この10億人を超えるご先祖のうち、たった1人でもいなかったら

今の自分は存在しないのです。

普段からこんなにも多くのご先祖が

我々の生活を見守ってくれているのです。

「お盆」はそんなご先祖に「感謝の気持ち」を伝える絶好の機会です。

ぜひお墓、仏壇、祖霊社などご先祖を祀る場所で心静かに手を合わせて

「感謝の気持ち」を伝えてみませんか?

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