小國神社 十二段舞楽(国指定重要無形民俗文化財)

あらまし

小國神社の十二段舞楽は、天宝元年(701)2月18日、勅使が奉幣したときに舞ったのが始まりだと伝えられています。例祭である4月18日に一番近い土曜日、日曜日に小國大神に誠心をもって奉納することを本義としています。

江戸時代には鈴木左近家が代々指南役として栽量し、現在は「遠江国一宮小國神社古式舞楽保存会」として組織され、指南役及び師匠を中心として小國神社氏子青年会の協力のもと一体となり保存伝承に努めています。

昭和57年1月23日文化庁より「重要無形民俗文化財」に指定されています。

演目

氏子は古くから舞楽とは言わず、舞物(まいもの)と呼び親しんでいます。十二段のうち6段を舞い子に選ばれる子供が舞います。舞い子は「稚児舞」と太平楽の「太刀」とに区別されます。

稚児舞の連舞・蝶の舞・鳥の舞・新まっく舞・抜頭と覚えて、太刀の太平楽で務めを終えます。なお、舞い子には序列があって、舞台前列の右から稚児(太刀)の―・ニ、後列の右から稚児(太刀)の三・四となり、年齢の低い者が四に、そして順に―まで上がります。この他は大人(16歳以上)が舞う大舞(ふとまい)です。

大舞は江戸時代には神社周辺の氏子の人が舞っていましたが、色香舞だけは神職の役でした。

番外/花の舞(はなのまい)

番外/花の舞(はなのまい)

祓の舞で、奉仕者は舞人以外の伶人また神職で奏楽に合せ竹の筒から切麻を振って祓います。

一番/連舞(えんぶ)

一番/連舞(えんぶ)

舞楽の始めに行う舞で「神に供へる又は押し鎮める」の意があります。
舞人は稚子2人で緋袍に天冠を冠り鉾をとって舞います。

二番/色香(しきこう)

二番/色香(しきこう)

大人2人で典雅な白色の面に裂布の垂れた独特の上衣に紫の袴をつけ背に円板をつけ、桴を手に曲に合わせて動きも大きくゆるやかに舞います。

三番/蝶の舞(ちょうのまい)

三番/蝶の舞(ちょうのまい)

舞人は稚子4人で布衣をつけ天冠を冠り胡蝶の花に遊ぶさまをして舞います。
当神社の舞楽古伝書に依れば庭小鳥とあります。

四番/鳥の舞(とりのまい)

四番/鳥の舞(とりのまい)

蝶の舞と同じく稚子4人で、鳥の飛び遊ぶ姿をして舞います。
装束も蝶の舞と同じですが、舞の手が異なっています。

五番/太平楽(たいへいらく)

五番/太平楽(たいへいらく)

乱世を正すというめでたい舞です。俗に”太刀舞”と言い子供4人鳥兜に裲襠装束で鉾を持ち勇壮華麗に舞います。「太刀の一人舞」は独特の舞手です。

六番/新まっく(しんまっく)

六番/新まっく(しんまっく)

当神社では古くは「神麻久」と言い、舞人は子供4人で樺色の布衣を着けて笏を持って舞います。

七番/安摩(あま)

七番/安摩(あま)

紙の仮面に巻纓の冠を被り青色の狩衣に笏を持って舞います。楽器は太鼓と鉦鼓で、唱歌により拍子をとって舞います。本来二人舞であるが当神社では一人舞です。

八番/二の舞(にのまい)

八番/二の舞(にのまい)

安摩の答舞で次いで舞います。番舞(つがいまい)で安摩を真似得ない姿を舞うと言う翁媼のいわゆる戯舞で見るものを思わずほほえませます。

九番/陵王(りょうおう)

九番/陵王(りょうおう)

竜頭を頂いた鼻のとがった目の鋭い恐ろしい面をつけ一尺余の桴を持って舞います。
装束は赤色かかった裲襠を用いて舞は走舞で鮮やかなものです。

十番/抜頭(ばとう)

十番/抜頭(ばとう)

稚子の”一人舞”と言い子供1人天冠をつけ白地に刺繍の装束で舞います。
2日目には「座頭の坊」と称する子供と大人の争うさまを舞います。

十一番/納蘇利(なっそり)

十一番/納蘇利(なっそり)

裲襠装束で恐ろしい紺青色の面をつけ桴を持って舞います。
走舞で動作は元気があって面白く竜の舞跳る趣があり活発な中にも荘重の感が深い舞です。

十二番/獅子(しし)

十二番/獅子(しし)

俗に”獅子伏せ”と言い大人3人で舞います。悪魔払いとも五穀豊穣の祈りとも伝えられ、祝儀舞です。
舞曲共に勇壮かつ華やかに舞います。